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ハンセン指数構成42銘柄 編集部の最新分析レポート



『上海電気』(02727)

■08年通期では10%前後の減益へ
 100年以上の歴史を持つ機械製造の大型グループ。60社に及ぶ傘下企業を通じて火力、水力、風力、原子力などの発電設備のほか、電車や船舶用のシャフト、エレベーター、印刷機械など、取扱い製品は多岐にわたる。

 08年6月中間決算では、売上こそ前年同期比9%増の289億6300万元をマークしたものの、鉄鋼価格上昇などのコスト高を受け、純利益は逆に14%減の15億4700万の減益を計上。

 下期の巻き返しが期待されたが、@景気後退による受注の減少、A得意先の在庫調整により、年内に引き渡すはずだった製品の納期が09年にずれ込む、といった悪材料が重なり、通期の見通しを10%前後の減益、と予想している。

 その一方、株価は3月から上向いている。これは香港株式市場全体の上昇によるもので、同社の特定要因によるものではない。ファンダメンタルズも弱く、景気回復の兆しも見られず、短期的なパフォーマンスには慎重な見方をするアナリストが多い。

 そのため最近では、同業の『ハルビン動力』(01133)や『東方電気』(01072)とともに投資評価を引き下げられることも少なくない。


■積極攻勢で長期的に明るい兆し
 今年から来年にかけて同社にとっても我慢の時となりそう。しかし、悪いことばかりか、といえばそうでもなく、長期的には明るい兆しもある。

(1)新エネルギー関連製品への注力
 同社では、これからのトレンドとみられる原子力や風力設備に注力する方針を掲げている。なかでも原子力は今後の収益の柱に成長させるべく、多額の研究開発費をつぎ込み、業界内ですでに一定のシェアを保持している。現段階でも、浙江省、山東省、広東省などで、合計840万KWにのぼる原発の建設工事を進めるなど、現在進行形で発展が続いている。

(2)海外で新事業に参画
 傘下の『上海電気電站集団』がサウジアラビアの電力企業『ACWA Power』と電力開発及び海水淡水化の共同事業に合意。サウジで発電所や海水淡水化工場を運営する大手の『ACWA』と発電設備で中国トップの実力を持つ同社がタッグを組み、世界を視野に入れて業務展開していく。すでにサウジアラビアとその他中東国家で2プロジェクトが進められているとのこと。現在のところ、同事業からの収益貢献は未知数だが、海外で実績と知名度の大幅なアップが見込まれる。

 『シティグループ』では、景気低迷により同社の子会社を含めた業界全体の受注量が前年比で2ケタ以上減少していると指摘。また、不採算工場の閉鎖による生産計画の調整の影響で、納品の遅れが2010年まで続くとの観測により、08−10年の収益見通しを15−28%引き下げている。





■編集部の一言
 
「同社の長期的なポテンシャルに期待しています。業界全体の勢いは今年さらに弱まりそうですが、そのなかでも同社はエレベーターや電車など発電設備以外に多彩な製品ラインナップを持つことから、収益のディフェンシブ性は高いと思われます。

 発電設備については、火力のほかに水力、風力、原子力などにも力を入れ、火力発電設備の受注減をカバーしていく構えです。また、今後は世界的な総合電器メーカーの独『シーメンス』からの大口受注も期待されます。

 情報筋によると、今年の予想受注額は1億9000万元に過ぎませんが、来年は70億、11年は75億に急増する見通しとのこと。同社が秘める成長のポテンシャルに加え、相場の回復を考慮すれば、長期的には07年の高値である8・5HKj超えの期待もでてきます。情勢が厳しいいまこそ、押し目買いでポートフォリオに加えてみてはいかがでしょう」


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