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ハンセン指数構成42銘柄 編集部の最新分析レポート



『浙江高速』(00576)

■業績に反比例するように上昇する株価に注意

 浙江省の省都・杭州を拠点に高速道路の建設、運営に従事。上海−杭州を繋ぐ「滬杭甬高速」(248km)と省東南部の三門県まで伸びる「上三高速」(142km)のほか、沿線のパーキングエリアも経営している。また、近年は買収した証券会社『浙商証券』を通じて金融事業にも進出している。
 08年の業績は前年比10・1%の減収(63億2300万元)、同21・7%の減益(18億9300万元)と急激に悪化。これは滬杭甬高速と上三高速の交通量がそれぞれ20・8%、8・1%減少したことによるもの。加えて証券部門の収入が同38・9%減少し、3億1600万元の赤字を経常したことも、全体の収益を大きく圧迫した。
 今年に入っても営業成績は不振続き。第1四半期決算では25・1%の減益と黒字を保ったものの、滬杭甬高速の交通量は同19・7%縮小しており、業績に依然回復の兆しが見られていない。上半期の業績も前年同期を下回るとの公算が高い。

■株価急騰の2つの理由

 ただ、低迷する業績に反比例するように、株価は年初からすでに70%の大幅高。最近1ヵ月でも20%伸びており、H株指数の年初からの上昇率16%を大幅に上回っている。こうした株価上昇の背景にはどういった要因があるのだろうか。
 その一つとして挙げられるのが交通量増の期待感である。今年6月における中国の高速道路交通量は全国的に前年から減少したが、7月からは政府による経済刺激策の効果がいよいよ現れ始めると観測されている。
 しかし、これだけでは短期間でこれだけのパフォーマンスを付けた説明とはならないだろう。
 そこで浮上するのが証券部門の収益改善だ。最近、国内のA株市場は上げ足を速めており、上海A株指数などは年初の1880ポイントから7月下旬には3400ポイントへ上昇。その上げ幅は実に80%に達した。同時に売買代金も急増していることから、昨年、赤字を計上し同社収益を圧迫していた『浙商証券』の業績回復期待が急速に高まったのである。このたび再開されたIPOもこうした期待を後押しする要因の一つ。

■証券部門の価値はゼロ?

『モルガンスタンレー』は、同銘柄の評価を「オーバーウェイト」とし、目標株価も高速道路部門における収益増見通しを加味し、これまでの7・06HKjから8・34HKjに上方修正。しかし同証券ではこれまで赤字続きだった証券部門の資産価値ゼロと見積もっているため、今後、同部門の収益が予想以上に回復すれば企業価値の上昇とともに目標株価のさらなる上方修正も期待できるとしている。





■編集部の一言
 
「『モルガンスタンレー』は強気のコメントを出していますが、上述にもある通り、年初から70%の上昇幅を付け、14ヵ月の高値を更新し続けている現在の株価は買われ過ぎのようです。地元アナリストのなかには下半期に予測されていた親会社からの資産注入の可能性が低下したとみる向きもあり、こうしたことからも現時点での上昇余地は限定的といえるでしょう。相場状況も一度調整が入るとの見方が強まっており、当面は一時投資を見送るのが無難ではないでしょうか」


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