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◆ アジア 特集記事 ◆ 

【 ベトナム株/出遅れ銘柄を狙え! 】

8割がストップ高! マーケットは強気継続
電力セクターの有望銘柄をズバリご紹介
南東ベトナムの雄『カンドン水力発電』(SJD)



(『ベンチャーインテリジェンス』 08年07月15日掲載)

ベトナム市場に熱気が戻りつつある。週明け7月14日の取引ではホーチミン市場の株価指数VN指数が467・94ポイントをつけて5営業日続伸。6月の底値366・02ポイントからの上昇率は27・8となった。ホーチミン市場では8割の銘柄が、またハノイ市場も7割の銘柄がストップ高をつけるなど、マーケットはいよいよ騰勢を強めている。

ただ、VN指数が心理的な節目である500ポイントに接近していることもあり、先行して上昇した株には利食い売りが出やすくなっているのも事実。ここはあえて先行組の高値を追わず、やや出遅れ気味で、外国人投資家の間でも人気のある電力セクターのなかから、好業績かつ割安な銘柄をピックアップし、その可能性を探ってみたい。ぜひ投資のご参考にしていただきたい。

電力は中国からも輸入
8%近い高度成長が続くなか、一般市民の間にエアコンや冷蔵庫が普及するなど、ベトナムの人々の生活様式も変わってきた。とくに電力需要のなかでも、家庭需要(下円グラフでは“住宅”)は4割以上を占めており、新しい生活スタイルの影響の大きさを感じさせる。

工業省傘下の『ベトナム電力公社』によると、同国の合計発電容量は02年の8800メガワットから07年の1万4000メガワットまで増加した。5年で59%という急成長を遂げたにもかかわらず、需要がこれを上回るペースで伸びているため、いまだに電力不足による停電が絶えない。

政府および前出の『電力公社』は、この事態を打開するため、05年以降、民間資本による自由な発電を認め、独立系電力会社の活動を支援、さらに不足する分は海外からの輸入で補ってきた。この結果、『電力公社』の現在の仕入れ先は、傘下の電力会社が50%、独立系および国営から民営化した発電所が48%、残り2%が中国からの輸入となっている。



売るほど損をする!? 公定価格の落とし穴
『電力公社』は2015年までに発電所を71箇所建設し、発電容量を現在の7倍に相当する8万1000メガワットにまで引き上げることを計画しているが、そのほとんどが建設資金不足のために休止を余儀なくされている。発電所建設の資金を供給するはずの『電力公社』自体が年間で何十億円にも相当する大赤字となっているからである。

その理由は価格設定のいびつにある。同社は電力会社から電力を購入、傘下の配電会社を通じて全国に供給しているが、今年の購入価格は平均して1100ドン/KWHとなる一方、販売価格は800ドン/KWHとなっており、仕入値よりも3割ほど安く販売しているのだ。

ベトナムでは電力の販売価格の決定権が政府にあり、インフレ抑制を目的に割安に設定しているためだが、赤字を押し付けられる方はたまらない。同社は現在、販売価格の値上げを政府に申請しているところだが、承認される確率は五分五分とみられている。

こうしたなか、発電方法の違いが電力会社の業績の明暗を分けている。火力発電所を擁する電力会社が重油や石炭など燃料費用の増加苦しむ一方、自然の水を利用する水力発電の場合、売上と利益が伸びているのである。

水力発電は92%増益、火力発電は微減益
現在、ホーチミンとハノイの2市場を合わせて、8社の電力会社が上場している。それらを表(「上場電力会社の一覧」)にまとめてみた。
第1四半期決算の純利益をみると、火力発電の2社は平均して前年同期比1・7%の微減益。水力発電は1社が黒字転換したほか、5社平均で同91%の増益となっている。

重油や石炭など燃料費用がかさみ火力発電の収益が伸び悩む一方、自然の水を利用する水力発電は需要増を背景に順調に業績を拡大しているという構図だ。

また14日終値が直近底値からどれだけ上昇したのかを「底値上昇率」として計算したところ、第1四半期の成績が良かった銘柄ほど株価の上昇が大きいという結果となった。リバウンド相場というと、ファンダメンタルズに関係なく、手当たり次第に買われる印象があるが、やはり業績は馬鹿にならないのである。季節的にも雨季に入ったいま、水力発電企業にとっては、最も業績を伸ばしやすい時期。投資家としてはこのチャンスを見逃すわけにはいかないだろう。






投げ売りの後にだけ得られるチャンス
電力8社のうちから、本紙が注目した企業は『カンドン水力発電』(SJD)である。同社はベトナム南東部のビンフック省に位置し、水力発電事業を手がけるほか、ダムや発電所の建設案件に強い親会社の『ソンダ公社』とともに他の水力発電所への投資も行っている。設立が04年と新しく、設備が老朽化していない点は長期投資するうえで大きなメリット。

07年の通期決算は売上高で前年並みの2417億ドン、純利益で同8・8%増の681億ドンを計上した。前年に純利益が倍増した反動ともとれるが、今期第1四半期純利益が同78%増とふたたび高い伸びとなったため、高成長路線に戻った可能性は高い。

発行済み株式の51%は親会社の『ソンダ公社』が保有しており、経営の安全性は申し分ない。外国人投資家も32%を保有しており、機関投資家やファンドの間でも人気がある銘柄といえる。

同社の最大の魅力はなんといっても割安な株価。07年の通期実績をもとに算出したPERは7・2倍ときわめて魅力的な水準である。長期弱気相場のために、多くの投資家が投げ売った後でしか得られない、貴重な投資機会なのではないだろうか。
 




(同社ダム)

※『ベンチャーインテリジェンス』7月15日号から転載

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