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◆ アジア 特集記事 ◆ 

【 ベトナム株厳選情報 】

急落と混迷に負けない証券トップ2社を徹底比較

  『バオベト』  VS    『サイゴン』 

長期で勝ち抜く実力銘柄を見極めろ

(『ベンチャーインテリジェンス』 08年06月17日掲載)

ベトナム株式市場にようやく反転の兆しが見えてきた。ホーチミン市場では12日、VN指数が前日比0・03%高の370・55ポイントをつけ、小幅ながらも26営業日ぶりに反発。ここにタイミングを待っていた投資家が戻りはじめ、16日まで3日続伸となった。

今回の反転のきっかけには、ハノイの証券取引所指数が節目の100ポイントに接近したことや、まもなくハノイ市場で制限値幅が拡大され通常取引に近づくこと、それに外国人枠の上限が撤廃されるというウワサが流れたことなどがある。市場心理の回復はハノイ市場から始まりホーチミン市場に波及、現在はそろって反発するかたちとなっている。

今回は売られすぎの反動から始まったラリーのなかで、市場の回復を牽引するとみられる証券銘柄に狙いを定め、トップ2社を徹底比較した。ぜひ投資のご参考にしていただきたい。

証券上位各社に2通りの素顔
 ベトナムの証券会社は大手の金融機関系と独立系の2つのタイプに分けることが出来る。売買仲介業務で最大手の『バオベト証券』は生命保険大手の『バオベト生命保険』の傘下企業。2位の『サイゴン証券』はタイ在住のベトナム人が中心となって設立された会社で、独立系。3位の『ACB証券』は民間銀行首位の『アジア商業銀行』(ACB)の子会社、4位の『ベトコンバンク証券』は国営銀行大手の『ベトコンバンク』の子会社といった具合である。

2強が激突!
最強の証券会社はどっち?
 ベトナムでは証券大手4社が市場シェアの65%を握っている。新興の証券会社が仲介手数料を元に業績を伸ばそうと考えるなら、これら大手4社などとシェア争いを演じなければならないが、先行組の守りは堅いといわれている。
 ハノイ市場にはこの他に『ハイフォン証券』(HSC)『キム・ロン証券』(KLS)が上場しているが、ともに純営業収益(一般会社の売上高に相当)で1200億ドン(約7・2億円、為替レート:1ドン=0.006円)以下、純利益で700億ドン(約4・2億円)以下と規模が小さく、今後の成長性と安定性の点では大手に遠く及ばない。よって今回はハノイ市場の『バオベト証券』(BVS)とホーチミン市場の『サイゴン証券』(SSI)の2社を投資の比較対象とした。

市場シェアNo.1の古参証券
☆『バオベト証券』 (BVS、ハノイ市場)
 1965年に設立された保険大手『バオベト』を親会社に持つ証券会社。ホーチミン証券取引所と同じ通りに支社をかまえており、地元投資家なら一度は目にする会社だが、本社はハノイにある。
 00年の市場創設から営業を行なっている古参組のうちの1社ということもあり、投資家の間の知名度は高く、仲介業務の市場シェアでは断トツの19%を誇る。
 07年の業績は、純営業収益で前年比4・5倍の3740億ドン、純利益で同4・2倍の2145億ドンを計上。市場の急成長に合わせて大飛躍を遂げた。
 同年の純営業収益を細かくみると、仲介手数料収入が1496億ドンで同収益の40%であるのに対し、証券ギア者が事故の資金で売買を行なう自己勘定取引は1434億ドンで38%とほぼ同じ額。仲介手数料と同じだけ、自社のトレーダーによる売買でも儲けている様子がわかる。
 他方、先進国では最も利益がとれるといわれる株式発行の引受業務は520億ドンとまだ低調だ。また、過去3年をみると販売管理費が純営業収入の4〜6割近くに達しているため、やや高コスト体質になっているといえる。


(バオベト証券 店内風景)


株価下落で割安感が出てきた
 07年通期決算をもとに、安全性を測る経営指標についてチェックしてみた。自己資本比率(自己資本÷総資本)が34%で一般に30%とされる合格ラインに達しているほか、流動比率(流動資本÷流動負債)が134%で理想レベルの150%には届かなかったが、一般に100%以上とされる合格ラインはクリアした。
 気になる08年の通期業績予想について、同社は純利益予想を前年比34%減の1580億ドンとしており、EPSは3511ドンを見込んでいる。16日終値3万1500ドンは予想PERで8・9倍となり、いよいよ10倍を割り込む水準に突入してきた。





外国人投資家を集めた功労者
☆『サイゴン証券』 (SSI、ホーチミン市場)

 同社も00年の市場創設から営業する古参組。出発当時は資本金が60億ドン(約3600万円)しかなく、小粒に分類されたが、その後外国企業の出資を受け、資本金を急激に増やしてきている。
 ベトナム人投資家がほとんど存在しなかった時代に、外国人投資家を誘致し、市場参加を実現させるなど、同社の証券業界発展に対する功績は大きい。
 最近はオーストラリアの『ANZ銀行』や日本の『大和証券』などが資本参加を進めており、これらのノウハウを取り込みつつ、金融商品の開発を進めているところ。
 07年の業績は純営業収益で前年比3・6倍の1兆2441億ドン、純利益で同3・5倍の8641億ドンを計上した。ベトナムの証券会社では飛び抜けて純営業収益と利益が大きい企業であるが、これには賛否両論がある。
 というのは、同社の純営業収益のうち、仲介手数料2503億ドン(同収益の20%)に対して、自己勘定取引がその3倍近い6953億ドン(同56%)に達しているためで、投資家のフォローをして収益を上げるという証券会社の本質から大きく逸脱している、との見方もある。これを是とするか非とするかで、同社の評価も大きく変わってこよう。


(サイゴン証券 入口)

予想PER6・5倍のバーゲン価格!
 気になるコストについては優等生。3年前には販売管理費が売上高の60%に相当していたが、直近2年はいずれも30%以下に抑えられており、コスト管理がしっかり出来ていることをうかがわせる。
 経営指標については、自己資本比率43%、流動比率は143%となり、合格ラインの上の方といった感じ。いずれにしても『バオベト証券』を上回る内容であり、財務内容はより健全といえそうだ。
 4月に発表された08年12月通期の業績予想では純営業収益を前年比23%減の9500億ドン、純利益を同42%減の5500億ドンとしている。これをもとにEPSを計算すると4400ドンとなる。16日終値の2万8600ドンは6・5倍の低水準。ここはチャンスとみてよいのではないだろうか。



※『ベンチャーインテリジェンス』6月17日号から転載


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